2020年03月30日
文章の内容は私が現在、過去所属した組織の意見ではございません。私見です。
札幌東徳洲会病院に、4月から研修医として、もしくは他のスタッフとして働く皆様。
まずは様々な試験などお疲れさまでした。そしていよいよ仕事が始まろうとしていますね。
研修医ブログを最後に更新したのは2年前、私も4月から5年目の医師になります。
残念ながら、すでに退職しており、皆様と同じ現場で働く機会がないかもしれません。4月からは京都で働きます。感染症の勉強します。
研修医ブログでは言ってませんでしたね。皆様ほんとうにありがとうございました。
1か月ほどお休みいただいて、脳はとろけています。やばいです。
部外者であり、研修医でもない私がこの場に記事を書くのは相応しくないのは百も承知です。
昔から、部活のOBは口は出さずに金を出せよと思っていましたし、阿波踊りの学生連に卒業生くるなよと思ってましたし。
だから、この研修医ブログも、更新頻度が減ったとしても、私が書くのは決して良くないと考えてました。オファーがあっても断ってました。
それでも今日だけはこのブログを私物化したく思っています。
これから医療の現場で働く人間は、かつてなく不安かと思います。
私ですらそうです。札幌で前線で働いていたとはいえ、世界はこの一か月で大きく変わりました。
正直不安しかないです。新しい環境の上、健康上も経済上も様々な被害を出している新型コロナウイルスに立ち向かわなければいけません。
指定病院だからとか、そうでないとかのフェーズは終わりました。すべての病院・クリニックでコロナウイルスに携わる可能性があります。
札幌では感じませんでしたが、医療現場に携わるものへの、差別だったり、今この時期に何があっても咳や鼻水でてくれるな、と思ったり、働いてもいないのにストレスがあります。毎日体温はかっています。自分がかかったときにどうするかは当然シミュレーション済みですけど、著名人の感染のニュースなどを見るに、なかなか手汗が止まらなかったりします。
実家四国なんですけど、正直家が医者でよかったです。帰省してもわけわからないこと言ってきませんでしたし。今思うと3月初旬とはいえ帰省もしないほうがよかったのかとも悩ましいですが。
それでも私が感染症科にすすむのにはちょっと心配そうでした。そりゃね。この時期はね。
家族にも素直に言いましたが、コロナにかかる可能性はあるかもしれません。いや、かかってるかも?
で、今の僕の立場でコロナにかかったら、SNSで特定されたり、京都からでていけ、札幌かえれ、とかお前が感染症の医師になんかなるな、とか最悪言われるかもしれん、でも許してくれ、と。
私ですらこうですから、今から働いて、わけわからないまま現場にでなけりゃいけない皆様は本当に不安だと思います。
不安じゃないなら、agitationが目的ではないので気にしないでください。
でも家族はどうですか。いったんは話してみましたか。
不安を取り除くのは難しく、そのまま現場にでなければいけません。
当然コロナだけが医療じゃないので勉強も沢山しなければいけないです。
でも、多分、今皆様にしてほしいのはコロナの勉強です。
何をかというと、情報を、正しい情報を集めてください。対応が大事です。
残念なことに、新人かどうかにかかわらず、患者は現場に君たちがいるその瞬間から、プロとして君たちにいろいろ尋ねます。
当然わからないことを誤魔化さずに、上の人間に聞くのでもいいです。当然です。
でもせめて、この時期、コロナのことは、対応は皆様が一番できるようになってほしいのです。
なぜならば、現場で患者や家族と一番会話するのは多分僕や皆様のような若手で、もっとも感染リスク高いのも同じように対応するスタッフだからです。
そして、同じように患者にうつすリスクが高いのも我々かもしれません。こわいっすよね。
でも正しくこわがりましょうね。そのためには知識が必要なんです。。
とはいえ、今から論文いっぱい読んで知識つけろとかはいいません。
その方がいいかもしれないんですけど、そんな時間もなかなかないですよね。。
自分に言い聞かせるように、皆様に以下の言葉をお送りします。
いつか一緒に働く日があればどうぞよろしく。住吉でした。
①健康でなければ病院にくるな
医者の不養生とはいいますが、風邪はだれでもひきます。もしかしたら適切な対応をしても遅かれ早かれコロナにかかるかもしれません。
部活は熱が出ても休むなといわれたかもしれませんが、私たちは休みましょう。熱なくても風邪症状でも休んだ方がいいかもしれません。病院に連絡してください。
今皆様の力は喉から手がでるほど欲しいですが、根性論は一切捨て去ってください。
医師が本領発揮できるのは自身が健康のときです。
まだ、私たちのかわりはいるので大丈夫です。私がいなくても総合診療部無くなってませんでした。たぶん研修医の皆様も同じです。
それよりもほかのスタッフだったり患者だったりに二次感染するほうが恐怖です。
不安でいっぱいになるかもしれませんが、勇気をもって病院に連絡しましょう。でもずる休みはやめてね。。
②渡航歴も正直に。。
嫌ですよね。渡航歴いうの。すっごくSNSで叩かれるし。
でも、隠さず病院に報告してください。もうしてるかな?今からでもいいです。
なんでこの時期にアメリカいったの、とか言う人もいるかもしれませんが、リアルで言われたら研修委員長かパワハラ委員会に相談を。
正直に報告して、自宅待機になったとしても皆様は見知らぬ誰かの感染を抑えたかもしれません。
勇気をもって報告したのは偉いです。世間の人には叩かれるかもだが、報告せずに感染源が分からない二次感染が起きるのが最悪です。報告した新研修医、有難うございます。
③飲み会。。
せっかく札幌にきたし、新しい門出だし、ノミニケーションともいうし、同期の看護師はかわいいし。。
となるのはわかります。私もそうだった気がしてきました。
しかし、できることなら、歓迎会の類、飲み会の類は絶対やめろとはいいませんが、ブレーキの準備を。
医者は憧れのしごとです。しかし、あこがれの仕事はひがまれる仕事です。
騒いでいるのを隣の席のやつがSNSにあげたら?もし研修医内で集団感染してそれが報道されたら?
もちろん、賢明な皆様は、世間に叩かれるのがこわいからダメ、ではなく、3つの「密」をふせぐためにダメ、といっていることはわかっているでしょう。絶対いくなとは言いませんが、注意を。。せめて集団はやめて。。
※病院から正式なアナウンスがあればそちらに従ってください。
※薬剤師さんもリハビリも事務も、どんなに年上でも、皆かわいいです。私見です。
④手洗い
めっちゃ手をあらいましょう。消毒しましょう。マスクもいいけど手を洗いましょう。
日常でも手を洗いましょう。パートナーがいればパートナーにもたくさん手を洗ってもらいましょう。
⑤Twitterかfacebook
したほうがいいと思います。偽名でもいいです。発信しろという意味ではないです。病院がするなといっていればごめんなさい。
理由は、最新の医学情報はもはやSNSやGMAILで取得する時代だからです(※私見です)。
ブログでもいいです。怒られるかもしれませんが、自分で論文読むより効率いいです。いつかは読みましょうね?
対応も知識も素晴らしい量が手に入ります。
まずは身近なところでは岸田先生のツイッターを。で、そこからいろいろな先生のツイッターをのぞくといいとおもいます。
ネットリテラシーは皆様なら大丈夫ですよね?先輩にも聞くんだよ?
得た知識は仲間内とも共有を。マウント取りでもクイズだしあいでもいいので。
論文だろうがツイッターだろうが、情報の確からしさを判断するのは医師の仕事です。。たぶん。。
でも最初は難しいので、せめて、情報を出している人間の確からしさからスタートしてみては。。
あと世間の人はどう感じているか、ギャップを埋める意味でも悪くないと思います。
がんばりましょう。
はじめて師匠の言葉を使いますが、社会人として医師としてコビットファイターとして、一緒にがんばりましょう。私も後期研修医1年目としてがんばります。