(少々患者背景などを変更しています)
「先生、Murphy陽性という触れ込みで来た患者さんなんですが」
「胆のう炎ぽいのかい?」
「実はMcBurneyも陽性なんです」
「何、アッペっぽいわけ?」
「エコーで水腎かどうか見て下さい」
「そっちかよ」
「やっぱり穿孔だったら恐いので造影CTを」
「穿孔だったら何だって?」
「いえ、消化管穿孔の疑いがある・・・・いや、ないです」
「腹部は固くなく、反跳痛なく、tapping painもなく、筋性防御もなくて、踵もどんどん落とせると一通り確認したとは、さすがだね」
「えぇ、まぁ、そ、そんなとこです」
「ところで診察したけど、このMurphy陽性の人は尿管結石でいいと思うよ。座薬入れておこうか」
「ボルタレンでいいですか」
「いいよ、何ミリ使うの?」
「体格と年齢から考えて、ボルタレン50mlにします」
「いや、50mgだから」
「先生、この左脇腹痛の患者さんなんですが」
「さっきの人と同じく石でいいわけ?」
「CVA叩打痛は左で陽性で」
「いいじゃないの」
「左上腹部痛も軽度あって」
「後腹膜にある腎を前から押して圧痛があるのは考えづらいよね」
「尿が出ないというので、待ってる間に採血をしてみるとアミラーゼが」
「感度8割だから、アミラーゼが正常だから膵炎は否定的です、とは言えないけど、上がってるならラッキーじゃないの」
「じゃぁ、消化器コンサルトでいいですか」
「CT撮ろうよ」
「わかりました、説明して造影の同意書もらってきます」
「それで、黄疸はあるわけ?」
「確か、この人は、なかったような」
「それって実は見てないだろ」
「今見ます」
「胆石膵炎ならERCPになるから、胆道系とか黄疸とか見たいよね」
「そうなんですよね、今言おうと思ってたんですよ」
「で、薬剤性とかアルコール性とか、問診としては何っぽいの?」
「確か、この人は、えっと」
「今聞いてないのは別にいいから、これから聞いて来いよ」
きれいなお姉さん(手前)は、最近オウム返しを覚えました
オウム返しをする相手は、患者さんではなく指導医です。マスクをします。